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History / 13th

第13回名古屋学生演劇祭

第13回名古屋学生演劇祭は終演しました。ありがとうございました。

【開催日程】

9月7日(土) 11:00〜 Aブロック
       15:00〜 Bブロック

       19:00〜 Cブロック
9月8日(日) 11:00〜 Bブロック
       15:00〜 Cブロック
       19:00〜 Aブロック

9月9日(月) 15:00〜    決 勝

​【会場】うりんこ劇場

【結果】 

  観客賞 劇団ちゃこーる

 審査員賞 遊寂create

参加団体賞 劇団ちゃこーる まっくもな社会

   大賞 劇団ちゃこーる

参加団体

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遊寂create
ラムネ瓶と青春
劇団イン・ノート

こんにちは。遊寂createです!

2023年冬に旗揚げ公演を行い、メンバー5名で活動しています。

人間の寂しさや葛藤、苦しさを美しく描きたいです。

ぜひうりんこ劇場でお待ちしています!

『退屈だから、遊んでるだけ』

なんでもない毎日、あたりまえの毎日、普通の高校生、普通の人生。希望とか将来の夢とかないよ。退屈だから遊んでるだけ。こうやってずっとぼんやり生きていくのかな。ねえ、わたしの大切なものってなに?

※本作品では一部、性的な表現が含まれます。観劇の際はご留意頂きますようお願い致します。

青春コンプレックスを抱えた人が有難いことにコネとツテだけで形作った、いつか劇団を名乗りたい(烏滸がましくて堂々とは名乗れない)演劇集団でございます

相も変わらず、ここには無いどこかにありそうな何かで心を動かします

『星に願いを』

芸能の世界に於いて認められている存在などごく少数である。舞台の上ですら輝くことが出来ない我々に光が当たる瞬間なんぞ来るはずもない。自ら光る恒星になれない我々は後世どころか現在にも名を残すことも無いのに、それを知りながらただ進む

東京から参戦させていただきます!

身体性と想像力を武器に、笑いを通じてお客さんと共に演劇を創ることを目指す劇団です!

名古屋学生演劇祭。ずっとワクワクしています。素敵な繋がりを結べるよう全身全霊で芝居します。年に一度のお祭り!大いに楽しんでいきましょう!

『コンテナ・ワルツ』

港のコンテナに逃げ込んだ

みみっちい強盗3人組と富豪の娘

追っ手が迫る中コンテナは宙に吊られ出られない。

ちょっとでもバランスを失えば、自分たち諸共真っ逆さま。

これは、どうしてもちゃんとはかれない4人のお話。

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劇団かなみな
まっくもな社会
劇団ちゃこーる

はじめまして、劇団かなみなと申します! 静岡大学静岡キャンパス、同校浜松キャンパス、浜松医科大学の合同劇団です!今回の名劇祭にあたって旗揚げしました! まだまだ新しい劇団ではありますが、団員一同邁進いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします!!!

『からこれ』

性別が今よりもずっと細分化された世界。大学生の白瀬は、親友の十色が特殊な性を持っていることを知る。白瀬は十色を理解しようと奮闘するものの、その道のりは険しいものだった。

「私は、ただ………」

歩み寄りたい。ずっと君の側にいたい。それが、彼の原動力だった。

愛知県立大学に在籍中の二人から成るユニット

「まっくも」な社会を表現したいというのがこの団体の名前の由来であるという嘘を今思いついた。

本当は某ハンバーガーショップが底抜けに好きなのと、社会科の教員免許を取得したのが由来である、あ、これも嘘だ。

あれ、どれが真実でどれが嘘なのだろう。

当ユニット、名劇祭にて旗揚げになります。みなさんに素敵な時間をお届けできるよう頑張ります。

『テキト〜』

アラスジかけってゆわれたんやけどアラスジてなに笑キラッてしたゲキらしー笑てか爪かえた?キラッてかギラギラやん笑ギャラクシーてかんじ、いやスマホじゃねーし笑笑ゲキといえばさ、あーしおゆうぎ会でさるかに合戦のうすやったんよ、え?うす、もちつきの!クールポコの!え伝わらん?まぢ?うすなのにピンクのでかいリボンつけててぇ、あビーリアルきた

一昨年の名劇祭にて旗揚げ。

2年連続で名劇祭「大賞」を受賞、第8,9回全国学生演劇祭に出場した。

わたしたちの

学生最後の““夏””☀️🌊🥥

学生最後の““名劇祭””!!👊🏻🔥🏃

最後尽くし、目一杯楽しみます!!!!!!🍒✨

『アイマイミー!』

踏んだ、踏んでしまった。かもしれない。もしかしたら、離したら、爆発、してしまうかも、しれない。いつかのYouTubeで見た映像。足、を離したら、煙がバーンって、上がって、私の、足が、無くなってしまうかも。そうしたら、バスケも出来なくなってしまうかもしれない。もしかしたらだけど、

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劇団アトミックス
劇団蛍石
劇団翔

劇団アトミックスです。

名古屋芸術大学の演劇サークル、劇団アトミックスです。個性豊かなメンバーで日々楽しく活動しています!芸大生ならではの作品を皆さんに届けられるようにメンバー全員で頑張りたいと思います!!

『深夜のファミレス』

眠れない夜、みなさんはどのように過ごしますか? 

私はというと、本を読んだり考え事したりという感じです。……おっと、こんな時間にメッセージが届きました。なになに……『今からファミレス来れないか』だって?? やれやれ……😏

静岡大学浜松キャンパスの劇団サークルから有志で集まった劇団です!

今回名劇祭という大きな舞台に参加することになりとても緊張します。未経験者も多く不安もありますが、全員一丸となって楽しく全力で取り組みたいと思います!

『喫茶○○にて』

マスターが経営するとある喫茶店の店員はある日一人の不愛想なお客さんと出会う。

店員はそのお客さんを通していろいろなことを学ぶ。喫茶店で仕事をするうえで何が大切なものは何か。

喫茶店はお客さんにとってどのようなものであるのか。これは店員の成長の物語だ。

[劇団翔~KAKERU~] 

翔は愛知県立大学演劇サークルです!演劇を通して、羊が羽(翔)を伸ばして飛んでいくような、そんな非日常的な楽しさを人に実感してもらえたら素敵だな、と思います。 昨年に引き続き少しでも人の心にスっと入ってきたり、前向きにしてくれたりする演劇を創りあげます!

 

『幽霊さんの好きなもの』

「この学校のパソコン準備室には幽霊がいる」そんな噂を聞きつけたオカルト好きの新入生、北野空。そんな彼女が入部したパソコン部は、互いに干渉し合わない、一人一人がただ好きなことをする部活だった。

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岡本昌也

1995生まれ。劇作家・演出家・映画監督。演劇/映画を主軸に、さまざまなカルチャーを横断する。パスティーシュを駆使したポップで散文的な作風で「ミクストメディア」な作品を多数発表。

審査員

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関戸哲也(空宙空地)

劇作、演出、俳優。名古屋を中心に全国各地で活動。各地で受賞、コンクール優勝多数。

近年は2023戸田恵子生誕66周年記念公演「ROUTE66」シブゲキ‼︎にて作・演出・出演など。

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元山未奈美(演劇組織KIMYO/inni)

俳優。愛知県名古屋市出身。

演劇組織KIMYO所属。

2022年主催団体inniを立ち上げ、プロデュース公演も行っている。

2024年俳優A賞受賞。2023年関西演劇祭ベストアクター賞受賞。2022年コリッチ舞台芸術まつり演技賞受賞。

2021年 30GP俳優賞受賞。2018年佐藤左吉優秀主演女優賞受賞。

講評

=関戸哲也= ・総評 皆様お疲れ様でした。 僕も学⽣劇団出⾝です。ちなみに劇団「獅⼦」でした。 僕らの頃はこういう場がなかったし、あっても⾃分の座標軸を確認させられるのが怖くて、出場しなかったかもしれません。⼀つ、⾶び出して、こういう⼤会に参加されたのはとても素晴らしいと思います。 本来、こういう作品というものに対して順位を付けるものではないと思うのですが、参加された以上「勝つ」 事を「全国に⾏く」という事を、その頭を持って臨んでもらえるといいのかなと思いました。そうすると、勝っても負けても得るものが、気づきが、 多くなる気がします。 この会が皆さんにとってなんらかの意味でも実りの⼤きいものでありますよう。 さて、全体の感想ですが、どうしても⾝体や、ライブ、舞台の⽬の前に⼈がいるということに関する⾃覚が⽋けているように感じてしまいました。あとは⾊々盛り込みすぎの印象もありました。 アニメや漫画の影響でしょうか、それか、別のメディアの影響でしょうか。もっと、⽬の前の⼈を、それこそ、あなた⾃⾝を信じて作品に向かい合って欲しいなとは思いました。 どこかで⾒た作品を上⼿い具合に編集するのではなく、拙くても、あなたが本当に突き当たっている問題に触れたいなと思いました。⼼震えるとはそういうことではないかと。そうする事で初めて、⼈の⼼に届くのではないかと思うのです。これは⾃戒も込めて。 舞台は上⼿いこと⾏けば、本当にお客さんの⼼に⼊っていけるメディアだと思います。 俳優が真に⼼震える演技をすれば、それが波動となって客席に伝播する。 それがライブの持つ魔法だと思っていて、そう信じてます。その繋がりが演劇の持つ本当にステキな部分と思っていて、どうか、多くの⽅が、その繋がりを経験されますよう、願っています。 ここまででも、これからでも⽴場上、偉そうなことを⾔ったりするかも知れないんですが、あくまで⾊んな意⾒を参考にして最終的に判断されるのはご⾃⾝ですとは付け加えておきたいと思います。あとは、交流会の時に「どうすれば良いですか?」という声を沢⼭もらいました。その時のギラギラしてる⽬がとても良かったです。どうか、その⽬を忘れずに、最後は表現者として、「⾃分で決める」と思って欲しいです。 〇遊寂 create「退屈だから、遊んでるだけ」 完成度が⾼いと思いました。全体を通じて、とてもよく抑制が効いており、座組みが⼀つの世界を信じてる。そのことの強さを感じました。 もっと派⼿にしたがるものですが、 抑えて抑えて、世界を構築しているイメージが良かったです。 注⽬すべきは⾒せ⽅と演技。特に俳優の間の使い⽅が上⼿いと思いました。 ⾒せ⽅としては、 照明のエリアで世界を区切ってしまって、そこでの会話でずっと⾒せ続けていくことを選択している。その選択が成功しているように思いました。 隣のトイレの使い⽅、 呪詛のように男の名前を呼びながらトイレットペーパーを流す絵もよく、 登場⼈物も、⼥の⼦が奔放な⽣き⽅に⾒えて闇や、 迷いみたいなものをちゃんと抱えており、 男の⼦も、ただの気の弱い⼦じゃなくて、いきなり下着姿になったり「業」の部分をちゃんと抱えて⼈物を造形しようとしている。そのあたりが良かったです。 ⼥の⼦の「するの?」の惑いながら⾔う感じがとても良かったです。 ダラダラ過ごしてるように⾒えて、⼼情をすくいあげるような演技と本と演出なので、ずっと集中して⾒続けられます。 ⾳にしても、最後の花⽕の⾳だけにしたのも抑制が効いて、作品に品をもたらせていると思いました。ただ、 もうちょっと⾔うと、 タバコの処置の仕⽅ (⽕を付けないやり⽅でいけなかったかな)とか、最後の⾔葉が少し多いように感じました。そのあたりをブラッシュアップしていけば、さらに味わい深い作品になるのではと思いました。 派⼿な作品じゃないけど、座組みが世界を信じる。そのことがとてもうまく出た作品と思いました。内容が内容だけに賛否が分かれるかもしれませんが、「世界」を座組みが信じたということは⼤事にして欲しいです。 〇ラムネ瓶と⻘春「星に願いを」 おそらく中堅であろうあまり売れそうにない漫才コンビのやめるかやめないかの葛藤のお芝居。漫才師や漫才が、憧れになるまだお笑いブームなんだろうなと思いました。漫才に対してもかなり練習したんだろうなと、その努⼒の跡が伺えて、そのへんが好感が持てました。漫才で笑わせるのは⼤変だと思うので。 ただ、⼀つ気になるのは、表現しようとしてる対象が、 30歳前後の中堅コンビの悲哀であること。 でも、演じたり作ったりしているのが 20 歳前後の若者であること。 このことにどこまで⾃覚的なんだろうかと思いました。つまり、意図するしないに関わらず、 若さがこぼれ出てしまう事になります。 ⾒ながら「あー。若い⼆⼈が⼀⽣懸命漫才練習したんだな」とその若さに感情移⼊してしまいました。 中堅芸⼈の悲哀までたどり着かないように思うのです。 将来の挫折を、 20歳前後の⼦が気に病んでると⾒れてしまいます。お話的にも⼆⼈の葛藤がちょっと弱いように思います。 後、演技的な話ですが、漫才の時と、 普段の時とギャップはないのものなのかなと思いました。そしてこれは劇作の話ですが、⼆⼈が会うシチュエーションが「ビールを道で飲んでいたら、相⽅が向こうからたまたまバイト終わりに歩いてくる」「道端でぶっ倒れてるって聞いてすっ⾶んできたんだよ」のあたりが引っかかります。この辺、劇作家が⼀番神経を使うところです。つまり、本⼼をしゃべるように対⽴する⼆⼈のキャラクターをどう持っていくか、どう出会わせるという ことです。 その⼿つきにも若さを、作者の都合を感じます。 後、 曲ですが、 曲もこの芝居で本当に⾔わせたいことを曲にのせた印象です。 じゃ、 曲聞いてれば良いじゃん。になってしまうのがもったいないのです。 終わり⽅も含めて、もう⼀考できても良かったかなと思います。お辞儀ではなく、漫才し続けながら終わって欲しかったです。 でも、俳優さんの感じはお⼆⼈ともとても好かれるようにに思うので、⾃分の⾝体と、 本当に⾃分にとって切実な問題を信じて作品作って欲しいと思いました。 ⼀⽣懸命さに未来を感じるのです。それが若さの素敵なところと思います。 〇劇団イン・ノート「コンテナ・ワルツ」 学⽣時代が4年あるとして、その中で、 何かの⽅法論を発⾒し、 積み重ねていくのも⾄難の技だと思いますが、ここのチームはそれを成し遂げているのが素晴らしいと思いました。台本を読んだ時点で、どう演出するんだろうと思ってましたが、実際に⽴ち上がった舞台が台本を読んだ時より⾯⽩かったです。 「キューブ」的世界観が⾯⽩かったです。それは、演出の⽅向性、加えて、それを⾃分たちのものにする集団としての強さに⽀えられているように感じました。よく訓練されているし、よく統率が取れてます。 この基本の訓練の積み重ねは劇団の強さだと思います。芝居が上⼿です。特に中川さんの芝居、好きでした。 今は、舞台拝⾒した感じ、どなたを中⼼に将来劇団が進んでいくのかは決まっておらず、皆さんがまだ横⼀列に並んでいるように感じました。それが、 今後、 誰が引っ張っていくかで、集団の⽅向が⾊々変わってくるのかなとも思いました。 不安定な中ずっと動き続ける発想も、技術も、 ⾳も良かったと思いますが、 中盤から後半にかけてが⻑く感じてしまいました。それは、前半の⾯⽩さを、 説明して、 個々⼈の話に移り変わるので、観客が舞台に対する焦点をどこに当てたら良いのか混乱するからだと思います。 僕が思うのは、コンテナにいる理由をそこまで説明しなくても⼤丈夫なんじゃないかということ。⼊れたいボケと、 状態の不条理さと、 お間抜けな誘拐劇、 お嬢様の悲哀、 踏み出すことへの哲学、 がちょっと寄り添ってない印象受けました。 詩のシーンになるところも良かったんですが、 バランスという点で、 構成の点で⾊々ブラッシュアップするところはあるように感じました。 ちょっとそれぞれの美味しいところを取ろうとして、後半が息切れしている印象でしょうか。 ずっと揺れてるのは本当にそれだけで⾯⽩いと思います。 もっと、 丁寧に、ちょっとづつ揺らされて、その場にいないと均衡が取れない。そこに時間をかけて⾒せて、 それからどうするかっていう作り⽅でも、ずっと⾯⽩く⾒れるんじゃないかと思いました。でも、これを⾒た名古屋の皆さんは、僕も含めて驚いたと思います。やって来てくださってありがとうございました。 〇劇団かなみな「からこれ」 静岡からやってきてくださってありがとうございます。 他地域は⼤変かと思いますが、ご本⼈にとっても、みんなにとってもとても刺激になると思います。 さて、 あらすじを読むと、そんなに難しい話ではないはずなんですが、 結構理解するのが⼤変な芝居という印象です。これも、俳優の⾝体性を考慮したら、もっと違う印象になったかなと思う⼀本でした。 作り⼿側の衝動みたいなものはとてもよく感じました。⼗⾊のキャラクター設定も良いし、いきなりピストルで⼈を撃ったり、その辺りのこみ上げてくる表現への欲求みたいなものはよく伝わりました。そのこと⾃体は作品作る上での衝動で、僕はとても好感を持てます。さとるのキャラクター。つきとのやり取り。 ほとんど形⽽上学的とも⾔っても良い会話のやりとりが続きます。このあたりの⾔葉のやりとりも⾯⽩く読めました。 しかし、これ、台本の時点では良いのですが、つまり、⼀⾔で世界がひっくり返る感じ、は、良いのですが、それが成⽴して「⾯⽩い」と感じるのは台本上の話でしかなく、舞台に⼈がいて、動きに制約があって、 何より、⽣⾝の体を晒してセリフを⾔う。と⾔う事に対する⾃覚があると尚良かったなと思います。⾝体のことを考慮してるか問題はとても⼤事です。それは演技においても。なぜ、そこで怒るのか?本当に掴みかかりにいくか?そこまで、崩れ落ちるほどの悲しみか? このあたりが明確になってくると、作ろうとしてるものへの補助線がもう少し明確になってきて、もう少し、届く作品になってたかなと思いました。しかしながら、表現の⼯夫。 横断歩道の使い⽅なんか、 ハケ⽅も含めて驚きました。これが本当に⾃覚的であれば、もっと深い表現も獲得できるように思います。様々な表現スタイルを吸収して、⾊んなものを⾒て、もう⼀度、表現への衝動をフィードバックさせると、とても良い表現者になれると思います。頑張ってください。 〇まっくもな社会「テキト〜」 このユニットも僕ら空宙空地と同じ男⼥ユニットなので、親近感沸かせながら⾒ておりました。全体にセンスとサービス精神を感じました。 センスは「蓄光テープの星をご覧ください」の感じがとても良かったです。あとは、暗転中も飽きさせない⼯夫を凝らそうとしていたのがとても好感持てました。 ⼯夫し続けて、 成功まで⾏けると良いように思います。 今回は⼯夫しようとしたその頑張りを評価しました。成功まで⾏ってないような印象です。 このチームは、始まって、⼆本⽬が始まるまで、これが「コント」集。短編集のスタイルを取っているとはちょっとわかりづらかったっていうのがあります。そのあたり、 例えば暗転毎に別のナレーションを流すとか、⾊々、⼯夫あると良いように思いました。それから暗転に関してですが、本当にアレだけ⻑い暗転、 転換がいるかどうか、あとは結婚式の件の照明変化いるかどうか、もっとシンプルにして、現場のグルーブ感を⽣み出す⽅を信じても良かったんじゃないかと思いました。 単純に暗転が⻑ければ、 芝居全体のリズム感は失われます。 照明に頼れば頼るほど、きっかけを⼤事にしなくちゃいけないので、 リズム感が失われます。 あくまで舞台で⾒せるのは俳優であること。俳優がそこにいて、 グルーブ 感を出す事をもっと信じて欲しいと思いました。そういう、全体のリズム感みたいなものを磨いて欲しいなとは思いました。 あとは、⼆⼈の演技、特に結婚式の⼥性の⽅の演技が良かったと思いました。最後の、⽼夫婦の件で、演技が乱れなかった感じがしたのがすごいなと思いました。ただ、「うんち」の簡単な下ネタで、ちゃんと正確にいうと、今回はうんち連呼以外の「本当に排泄してる時」、「細い体から」みたいな、 捻った状況や、 ワードが出てきていたので良かったですが、安易な下ネタは扱いに気を付けて欲しいなと思いました。 〇劇団ちゃこーる「アイマイミー」 事前に皆さんの脚本を読ませてもらって臨んだのですが、脚本の時点で頭⼀つ抜けてるなと思ったのがこのチームでした。発想の⾶び⽅、⾃由さ、「離す」と「話す」ことへの呪詛、ガムテープを⽀点にしてのピボット。 道からのパイロット、 爆発、 ⽉が地球にぶつかる。場⾯転換がどんどん⾶びながら、⼥の⼦が世界と引き換えにしても獲得したかったものへの期待。⼤騒ぎが、⼀つの場⾯に収斂されていく感じを、⾯⽩く読みました。⼒が強いなと思いました。 それが、 始まっての印象ですが、 ⾳響とか照明とかは⾯⽩く感じたんですが、場⾯転換の感じ、 次のシーンから⾶躍して別のシーンに移る感じが、 カットで変わるように感じられず、カットで変わるように感じられないので、次々に新たなシーンがやってくることへのカタルシスというか、テンポ感が台本より⽣み出せているように思えず、そこをめくるめくイリュージョンに出来ていたらもっとすごいものになってたなと思いました。 演出か、俳優か、それともそれを⾒てる脚本かは分かりませんが、⾃分たちがやろうとしている表現の着地点がもうちょっと違うとこにあるのじゃないかなという印象です。細かく⾔えば俳優が台本を離さずずっと持っている時点で、めくるめくイリュージョンを演じる軽さの枷になってる印象があって、台本を持ってることが後半⽣きてはくるんです が、芝居のどこを⼤事にして作るか、は、もう⼀考あっても良かったかなと思いました。 が、座組みの信頼し合ってる感じはとても好感が持てたので、良かったです。台本の時点で、最後の着地「寂しいよー」「あたしだってー!」の件は「あ、台本的にこの着地で⼤丈夫?」 と思ったのですが、実際演じられてるのを⾒ると良かったです。ここは台本越えられてたかと思います。 全国の⼭は⾼いと思います。⼼して臨んで欲しいと思います。 〇劇団アトミックス「深夜のファミレス」 深夜にファミレスに集まって、なんでもないようなひとときを過ごす。⼤きな事件があっても変わったのか、変わってないのか。さっきよりも⽉が⼤きいように感じる。みたいな芝居かと思います。これ、作り⼿側の意図を聞きたいところ。つまり、⾒⽅がよく分からないのです。 深夜のファミレスのまったり?した感じを感じさせたいのか、 ⼆⼈の何がしかの変化を⾒せたいのか。 前者だったら、そこへのガイドが弱すぎるように感じます。 ドリンクバーの⾒せ⽅とか、 美術とか。「あー、運んでくるの⼤変だったのかな」とかは思いましたが、それは作品世界とはあまり関わりがないので。演技の状態もリアルな「まったり感」を出そうとしているようには感じませんでした。ので、⾒⽅に迷ってしまうという印象です。 お芝居というか、 物語の基本は「⽬的と障害」とよく⾔われます。 良くない芝居の多くは、主⼈公の⽬的がハッキリしてないか、障害が明確でないか、「ない」状態である場合が本当に多いです。この芝居が良くないとは⾔わないですが、⽬的と障害は⾒つけられません。ということは、それ以外の何物かを提⽰する必要があります。それが、もうちょっとこちら側に伝わってくるものであると良いなと思いました。 それは美術とか、⾳の使い⽅とか、演出にも⼯夫が欲しいところ。ファミレスなのでずっと⾳楽が流れてます。が、この⾳楽の雰囲気に頼ってしまっている印象です。時間経過でも、 ⼝パクで⾳楽は流れ続けるみたいなシーンが⻑く続きますが、どう受け⽌めて良いのか分からなかったです。ライブの⼀番の魅⼒は、⽣の⼈間がその場にいるということです。なにがしかの表現はその場にいる俳優、その俳優が発する⾔葉で雰囲気を作るべきで、 ⾳楽、 照明はあくまでその表現の補助という⾃覚があるともっと作品の違う地平が開けたかもしれません。 ⾃分のやりたい事と、それを伝える補助線の引き⽅はまだまだ学べると思います。 〇劇団蛍⽯「喫茶〇〇にて」 ⼤掛かりな舞台セットが出てきて「なんだろう?」と思いましたが、台本読んでたので「あぁ、 喫茶店のカウンターか」と思いました。あんだけデカいものを作ろうとした労⼒は拍⼿です。でも、初⽇に⾒た時は、上のカウンターのクロス的なもの?をちゃんと敷いて欲しいと強く思いました。 美味しいコーヒーを出すお店で、 ここは別にお⾦かけなくても済むところなので。決勝はちゃんとひけていました。毎回そうであって欲しいです。 まず何よりすみません。タイトルが本当に良くないと思います。特に〇〇の部分が良くないです。これは作り⼿が逃げてしまっていると思われても仕⽅ありません。「それぞれの中の名前でお願いしたいんです」と⾔われるかも知れませんが。すべからく、表現は作り⼿側の⼈間の中の世界を⾒せる為に⾏われます。それを通して観客はなにかを思ったり、感動したりするんだと思います。 そこがないと、 観客は何を⼿掛かりに作品を⾒たら良いのか分からなくなります。ここがちょっと⼈任せの印象が強いです。ここ、俳優でも、演出でも、スタッフでも⼤事なところと思いますので明記します。 さて、お話は成⻑物語ですが、 先ほどのクロスの件が雄弁に物語ってますが、⼀事が万事という事だと思いますが、詰めが⽢い、脇が⽢いという印象が拭えません。「深夜のファミレス」は⽬的と障害がないと⾔いましたが、こちらは、⽬的と障害は薄いながらあります。でも、こちらには動機がありません。 主⼈公の⼥の⼦は何故嫌な客を前にしてそこまで客の納得する美味しいコーヒーを作りたいのか、また、 男性客は何故そこまで横柄なのか。そのあたりの納得できる共感性がもっと欲しいなと思いました。 また、これはどこでも⾔われると思いますが、おじいさんの「おぬし・・・」「・・・・じゃが」「・・・・じゃよ」問題です。現実にそんな⾔い回しをしてるおじいさんに会ったことはありません。でも、漫画の中ではあります。ここのところが問題だと思います。セリフを発するのが若い男の⼦であることも含めて。 ⾃分の⾝体性や感覚をもっと信じて欲しいと思います、全体に、どっかで⾒聞きした、 成⻑物語に⾊々キャラクターをくっつけて「おそらくこんな物語にしたら良いんじゃない」で進んできてしまった印象です。俳優さんの⼥性の⽅はとても好感が持てる芝居をされるし、お客さんもとても良い声をされていて、 マスターも演技⾃体は好感の持てる演技をしてますので、⾃分の⾝体を信じて、感性を信じて「本当にこう思う」ってことを表現として挑んで欲しいという印象です。 〇劇団翔〜K A K E R U〜「幽霊さんの好きなもの」 これはひとつ苦⾔になってしまいますが、始まる前のセッティングの段取りが本当に良くありませんでした。本番始まる前にも、⾃分が舞台の上に⽴っている時点で緊張感を持って欲しいと思いました。あなた⽅のことは⾒えており、 こちらは「さぁ、なにを⾒せてくれるんだろう」と期待しているところなので。出演者であろう、 もうすでに⾒えている⼈たちがとりとめもなくタムロしている印象なので本番に対する期待が萎んだ状態での開演になってしまいました。これは⾮常にもったいない。⾊々な事情はあったかと思いますが、学園祭で仲間内の出し物を⾒にきてる訳ではなく「作品」を⾒にきているので、段取り確認をちゃんとして臨んでいただければと思います。 僕も⾊んな地⽅⾏って演劇祭出たりしてますが、緊張感を持って本番迎えない座組みはなかなか勝ち上がることができないというのが実感です。そのあたりの覚悟の部分が気になりました。 さて、 内容ですが、やはりアニメの影響か、お話や、キャラクターがどっかで⾒た感じのキャラクターになってしまっています。空に対するみんなの態度や「10年幽霊がいると噂の、 開かなかった準備室のドアがひと蹴りで開く」みたいなことが、ちょっと作者の都合を感じてしまいました。ただ、 ドアの演出や、 幽霊がみんなが⾒えている状態で楽しそうに⽣活している感じはちょっと⾶んでいて良いなと思いました。 俳優さんの声も残念ながら⼩さく、何を⾔ってるか分からない箇所が何箇所もありました。演劇はクローズアップをしないので、スカす感じで⾔いたいセリフを「本当にスカしたまま」⾔ってしまうと聞こえません。そのあたりの⾝体性に対する意識をもっと持って欲しいと思いました。全体に、漫画であればそのまま許されるようなキャラクターや演技でも、舞台の上に載せるときに何がしかの⼯夫がいる。ということだと思います。 初⽇に⾒たんですが、最後、客席にタイトル出すアイデアは良かったです。 成功すると良かったですが。だから、あんなに時間かかってたんだなと思いましたが、にしてもやりようはあるはずで、舞台の上でダラダラしてるのはよろしくないと思いました。聞いたら、 既成作品との事。本当に⾃分たちは何をおもしろがっているのか。そこのところを座組みでもう少し突っ込んでも良かったかも知れません。 最後に。 やはり劇団イン・ノートさん。 招聘作品だけあって、とても⼒強かったです。これを⾒た⽅の中には「あぁ。⾃分達にはとても届かないや」と思う⼈もいるかも知れません。が、ちゃんと、みんなが⾃分の⼒を確認して、 武器を⾃覚して磨いていけば、対抗できるポテンシャルは持っていると思います。 ⾃分を、感性を信じてどうか、表現を磨く事を忘れずに、⾊んなものに触れて欲しいです。皆さんとちゃんと現場でお会いできますよう。僕も精進します。勝った⽅もそうでなかった⽅も、 何かを⾃分の中で⾒つけて、それを発展させていくことができますよう。素敵な時間をありがとうございました。 =元山未奈美= 〇遊寂create 今回一作品目に拝見したのがこちらの作品だったのですが、正直レベルの高さに驚きながら最後まで見ました。戯曲と演出に加え、それに応える俳優お二人の演技もとても素晴らしかったです。作家演出俳優スタッフ、座組み全体が同じ目標点と課題を持ち、作品創作に向き合った結果だと思います。残念ながら大賞を逃し、悔しい思いをされていることと思います。審査員賞は審査員3名総意でした。この悔しさをちからにして突き進んでください! 〇ラムネ瓶と青春 決勝戦へ推す候補作品として最後まで悩んだ作品です。等身大の役を演じる作品が多い中、現在学生であるお二人が、ラストイヤーを迎える中年漫才コンビを演じるという点に驚きと面白味を感じながら観てました。お二人の演技も良かったですが、物語中盤から後半の危機感や切迫感が重要になってくるいくつかのシーンに説得力が感じられなかったです。シーンの繋ぎ、演技に唐突感があったように思いました。難しいところだとは思いますが説明的台詞のやりとりは最小限に、二人の状態、会話、演技でやりきってみてほしいと、勝手ながら。 〇まっくもな社会 出演されていたお二人の相性がよく、お二人の演技は愛されるものでとても素敵でした。お二人で作演出出演までされてるということで、自分たち自身の良さを理解しながら創作されてるという印象。冒頭の暗転部分、蓄光の星から始まる展開とても面白かったです。演劇を客観性を持ってみている視点がとても好みでした。ただ後半の老夫婦のシーンでどうみたらいいのかわからなくなってしまった。このシーンの意図は面白なのか感動なのか、どちらでもいいと思うのですが個人的には最後まで二人の絶対的提示を観たかったなと、これも勝手ながら。 〇劇団ちゃこーる 発想豊かな脚本展開とても面白く拝見しました。観客と舞台の境目を突破する冒頭部分、役と俳優自身の境目が曖昧になる構造、小道具の使い方など、演劇を相対的にみている視点がとても好みでした。台本執筆中なので台本を持つという出発点も非常にわくわくしましたが、そこがピークだったかなと。その設定をいかしきってみてほしい。俳優お二人とも魅力的でしたが、お稽古が短かったということもあってかこの戯曲展開と演出に追いついていない部分があったように思いました。まだまだいけそう。是非全国までに練り上げてください!怒涛の如く展開していく物語の最後、今の上演に繋がるラストシーンは見事で、お二人の好演も相まって今演劇祭一番の感動をいただきました。 〇劇団かなみな 台本を読んだときの印象と、実際の上演がかなり違った作品。ナチュラルな会話劇でみせるのかと思ったらエンタメ的手法を多く取り入れて創作されており、予想以上に楽しめる部分もありました。横断歩道の設置は始まった瞬間には想像できなかった面白をうみだしていたと思います。残念だったのが台詞の内容が入ってこなかったこと。その一番の原因は手ぶり身ぶりなどの演技の大きさだと思います。その情報が邪魔していたように思いました。性別が細分化された世界というアイデアが良かったのもあって、もったいなかったかなと。 〇劇団アトミックス 日常は小さな変化の目まぐるしい連続。という台詞が印象に残っているのは、その逆が舞台上でおきていたからです。冒頭から流れ続けるBGM。人質事件が起きても、動じない客とウエイトレス。時間経過を表す幾度かの暗転。この作品の見方に迷いながらも、もしかしてこれはこういう不条理劇なのかと最後まで疑いながらみてました。しかしこれらはおそらく、作演出の意図ではなかったんだと思います。台本を読むと日常にある「小さな変化」が読みとれますが、それが上演では意図とは逆の方に伝わってしまっていたのではないでしょうか? 〇劇団蛍 舞台上に喫茶店のカウンターをつくりあげたのはわくわくしました。キーパーソンなるお店のお客さんが背中しか見せない演出も良かったと思います。ただあらすじにあった、主人公女性の成長物語に共感しきれなかったというのが正直な感想です。登場人物それぞれの動機がもっと強いものであればドラマが生まれたのかもしれません。「うむうむ、〜じゃ」など台詞がアニメ的なのも気になりました。カウンター内での会話、お客様との会話、心の声、独り言、この全ての台詞の距離感、音量、表出の仕方が全て同じなのも、アニメ的な作り方が影響しているのかもしれません。 〇劇団翔 ラストのタイトルを見せる演出、扉を紙にして実際にぶち破ってみるなど、観客を楽しませるという視点を持ち創作している点に好感を持ちました。出演者の皆様と上演後にお話ししたら演じていたキャラクターとは違った空気感を持っていて驚きました。それぞれにキャラクターを研究して作り上げた結果だと思います。しかしキャラクター芝居の一番の恐ろしさは、一面的な人物造形になりやすいことだと思っています。私自身がキャラクター重視の劇団にいるので、自分自身も自問自答し続けてますが、キャラクターの提示と人間的感覚のバランスを探ってみると深まるのかもと思っています。 =岡本昌也= ●総評 作品は世に放たれた瞬間からあらゆる視座で批評され、芸術・商業……その他様々な基準から「価値」を問われる運命にある。発表された規模に関わらず、たとえその作品がどんなに娯楽性や芸術性を帯びていようと、鑑賞した者が存在する以上、作品が「評価」の目から逃れられることはない。だからこそ、つくり手はつねに(せめて自作においてだけでもよいので)あらゆる点に置いて、どんな批評よりも先んじていなければならない。なぜなら、作品をつくり、観客や批評家に届けるまでのその長い道のりの中で、つくり手が直面するはずのあらゆる物理的・心理的・環境的な困難は、すべて「作品からの声」であり、その声をいちばん長く、濃く聞いていたのはつくり手のはずだからである。  創作過程で、いかに作品からの声を聞き逃さなかったか。あるいは、あえて聞き逃したか。この作品がどこへ向かいたがっているかをつねに問い続け、直面する創作上の困難をみずから自作への批評に置き換えて、また新たな発想に転換し、体現し続けた結果が世に放たれた時点での作品の姿であるべきだ。 名古屋学生演劇祭で見た9つの作品群は、それぞれがそれぞれに、そういった「つくり手の批評性」に乏しい点があったように見えた。講評文では「つくり手の批評性」という観点からそれぞれの作品を見ていきたい。 〇遊寂create  「上演のクオリティ」という点では、群を抜いていた。少年少女の関係性が短い上演時間の中で何度も反転する作劇が見事だった。「私を変えようとしないでよ」という決定的なセリフは、エドワード・ヤン『牯嶺街少年殺人事件』を思わせたし、山本直樹の短編漫画のいくつかも思い出した。効果的なセリフがダイアローグのなかで意図的に、端的に配置されていて、ふたりの俳優の演技もよくその「旨み」を理解しており、思春期の危うくて刹那的な状態をうまく体現していた。ただ、30分で少女の背景(後半、少女が虐待や暴力を日常的に受けていたことが示唆される)を語るには、やや必然性に欠けていたように思う。その「救いようのなさ」をなぜ今、どう描こうとしているのか? を、私は感じとることができなかった。暴力を振るわれた少女の憐憫を、エモーショナルなコンテンツとして消費されないための仕組みが必要だと感じた。また、火のついていないタバコを吸っていたり、花火の音があまりにも安っぽかったり、演出面で批評性に欠ける瞬間もいくつか見受けられた。脚本や俳優が丁寧に積み上げた劇の時間は、そういった小さなことで脆くも崩れさる。 〇ラムネ瓶と青春  「ここから怒る」「ここで泣く」といった感じに、作り手の都合でオートマティックに役人物の感情が移り変わっていく。演技を見ても、脚本を読んでも、役人物がいまここに生きていることを最後まで信じることができなかった。物語の重要な局面で、暗転の中、ただ曲を聴く時間があった。他人の音楽に自分の劇の重要な瞬間を任せてもよいという無邪気さが「創作と人生に迷う者たち」という作品のテーマと矛盾しているように感じた。 〇劇団イン・ノート  不確定要素と物理現象は、常に演劇を面白くする。完全に安定しているはずの劇場で人と劇空間が「揺らぐ」ことのおかしみと感動、不安定な時間と空間に不安定な身体を置くことの旨み、床と人間の不釣り合いな関係がとても面白かった。「不安定なコンテナの内部に閉じ込められている」という、ひとつの閃き…突き詰めると、演劇は本来それだけで良い。そこに役人物のステータスや人間関係の整合性、「なぜコンテナにいるのか?」の合理的な説明、ストーリー上のいわゆる「展開」と呼ばれるものがなぜ必要だったのか? それらを劇作に取り入れることによって何が得られ、何が失われるのか? 〇劇団かなみな  俳優はアニメキャラではない。有機的な肉体を持っている。しかし、劇団かなみなの演劇は、アニメのような演技体でセリフも聞き取りづらくく、役人物にまったく感情移入できなかった。その感情移入のできなさは、徐々に劇全体を異化しはじめ、だんだんと「床に敷かれた1mほどの横断歩道が、1mほど先にある屋内と直結している」という、およそ基本的な演劇の形式を完全に無視した舞台配置に大いなる発明の可能性を感じはじめた。もしこれが異化を目的とし、すべてを自覚して作られた演劇であれば、どれほどの評価に値するだろう。自分たちが理解していないうちに、想像を絶する作品を作ってしまうということはままある。私がなぜこの作品にこのような言葉を当てがいたかったのか、今後ものづくりをする際にはぜひ考えてみてほしい。 〇まっくもな社会  センスの良いワードチョイスと愛しやすいキャラクターで小気味よく構成されたオムニバスで、クオリティが高かった。同時に体験した小さな出来事をきっかけにドライブ中の男女が合理的な理由なく関係性を変化させる作品は人間の人間らしさをうまく「描写」していてとても面白かった。 〇劇団ちゃこーる  脚本に「作らなければならなかった」という初期衝動と勢いがあった。俳優と演出に、脚本と同じ熱量の初期衝動を感じることができなかった。 〇劇団アトミックス  こちらもまた、「もしこれが異化を目的とし、すべてを自覚して作られた演劇であれば」と感じた。形式の知らなさは時に、大いなる発明を生む。ファミレスをただひたすら描写する演劇をもう少し、いくつかのバリエーションで作ってみても良いと思った。 〇劇団蛍石  抑圧的な社会の構成員を教育するための教科書に書かれているような道徳を、心の声を多用して描いていく演劇。これのなにを面白がれば良いのかがわからなかった。主人公の女性が、周辺の男性から評価され、支配され、主体性を奪われて、幸せを感じている様にむしろ私はグロテスクなものを感じた。 〇劇団翔  非現実的な存在を肯定していく姿勢、舞台装置で文字を出したり、紙を破って物理現象を引き起こしていく姿勢全体に好感を持った。しかし、やはり俳優はアニメキャラではなく、有機的な肉体を持っているということに自覚的でなければ、非現実的な存在を観客が肯定するまでに至らない。

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